ウエイトトレーニングって危ない?

前回の記事
鍼治療って危ない?の続き。
鍼治療によって長胸神経麻痺が発生する可能性は極めて低い(ほぼあり得ない)ということが鍼灸師や医師の方々によって様々なトコロで言われています。
で、原因はウエイトトレーニングでは?という雰囲気になりつつある。(私の所感)

そうなると、ウエイトトレーニング指導を仕事としている方々も黙っていないようす。
その方々も、ウエイトトレーニングによって神経麻痺は無い。と主張する。

さてどうしたものか。まだ引き続き賑わっているみたいなので私も少し乗っかってみよう。
個人的な知識整理としても、この件に関することについてまとめてみる。

●長胸神経「麻痺」
この言葉の意味を理解するにあたって長胸神経と麻痺を分けて理解を試みよう。
・長胸神経とは→前鋸筋を支配する運動神経。感覚神経ではない。
・運動神経麻痺とは→随意運動が喪失・低下した状態のこと。

つまり前鋸筋の随意運動がない状態。前鋸筋が麻痺すると、翼状肩甲という(肩甲骨内側縁が浮き上がってしまう)状態になると言われています。運動としては腕を前方挙上ができない状態。

では、どうなると神経が麻痺するのでしょうか?
神経が「断裂」もしくは「絞扼」された状態となると麻痺が発生します。
鍼治療で用いる「鍼」はたいがい髪の毛以下の太さです。医療機関での注射針(神経ブロックなど)で運動神経に損傷を与え麻痺が発生した。という報告は現在のところ無いようです。
※これについては詳しい文献などありませんでした。スマン。
※神経の損傷はありうるようです。その場合でもしばらくすれば回復はします。

○鍼によって運動神経麻痺が発生する可能性を考えてみましょう。
それは血腫(内出血が部分的にかたまったもの)による神経絞扼が一つ考えられます。
しかし、鍼治療で血腫発生するような場合は外から見たら分かるであろう状態であると考えれらます。

○ウエイトトレーニングによって運動神経麻痺が発生する可能性を考えてみましょう。
肥大した筋肉により運動神経が絞扼され麻痺が発生するというケースはあるようです。聞き慣れたところでは胸郭出口症候群。

【個人的結論】
今回の件においての原因は不明。
明らかな因果関係は認められていない。責任を押し付けやすい鍼灸師に押し付けたのではないかと推測してしまいます。

【その他】
①運動神経麻痺による症状(随意運動の喪失・低下)※痛み・しびれは発生しない。
②筋痛症による症状(痛み・しびれ)※筋肉活動量の低下は発生する。
以上の2つを再認識する良い機会となりました。

【その他②】
ウエイトトレーニング指導者の多くは「餅は餅屋」と言うが、
痛みや障害といったこととの関係からは逃れられないように感じた。だって身体だもん。自分らを守るためにも「痛みの生理学」を学ぶことは必須かと。専門性ってとっても大切だと思うけど
多角的な視点も同じくらい大切だよね。実際は時間がいくらあっても足りないというのが現実だと思われますが。
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爪痕残したくなる病

スポーツ選手がある時、捻挫をしてしまった。
腫れ・発赤・痛みが出てきてしばらくは戦線離脱した。
その後、痛みも腫れも無くなりトレーニングも再開。
しかし競技になるとイマイチ結果が良くない。整形外科的には完治しているのに。
そんなことが度々あった。

担当の競技コーチは「捻挫」が原因だと思い込み、
知り合いをつたってスポーツトレーナーに選手の体(捻挫)を見てもらった。
競技コーチは捻挫の経緯や経過をトレーナーに細かく話した。
トレーナーは可動域チェックや筋力チェックなど一通り選手の体を見て
「捻挫の後遺症がある。姿勢バランスが崩れている。」と言う。
そして後遺症を改善するための体幹トレーニングを選手にも競技コーチにも教え、毎日やるように指導。
数か月後、また同じトレーナーに見てもらった。
「バランスも良くなっている。継続して教えたトレーニングをやってな。」と言う。
だが、競技結果は不振。むしろさらに低下している。
そうこうしているうちにシーズンは幕を閉じていってしまった…。



以上、トレーナーの「爪痕を残したくなる病」第1章をお送りしました。

結局、何が競技結果不振の原因なのか
どうやって進めていったら良かったのか。
競技コーチは専門外の分野を外注するときにどのように運んだら良いのか。
トレーナーはどういう立場・役割で接していけばよいのか。
そういったことを思考する題材にしてほしいと思います。
答えは選手の中にあるのでありま~す。

※本投稿はフィクションであり実際の選手・競技コーチ・トレーナーは架空の人物であります。

スポーツ指導現場の専門性について

スポーツ選手に関わる大人は沢山いる。
競技レベルが高くなるほどに関わる周囲の人は多くなる。

監督
コーチ
マネージャー
フィジカル(ストレングス)トレーナー
メディカル(コンディショニング)トレーナー
栄養士
データ分析
通訳
などなど

プロスポーツ団体の場合は上記のスタッフ全てが在籍していることが多い。
アマチュア団体や学校部活動でも「トレーナー」スタッフを在籍させるところもかなり増えてきている。

先日の競泳JapanOpenで
とあるチーム代表者が、チームスタッフの役割について話をしていた。
その中の一つに「トレーナーが張り切り過ぎる」と。
内容を聞いてみると
トレーナーさんが「オレが選手に結果を出させてやる」「パフォーマンスレベルが上ったのはオレのおかげだ」「動きが良くないからオレの言うことを聞け」といった類の言動・行動が目に付くとのこと。
いるよね。こういう感じの態度に出ちゃってる人。
コーチや指導者に比べ、トレーナーという役割が出てきて歴史がまだまだ浅い。
指針となるような人たちも少ない。心得のような書籍や記事もあまり見かけない。

チームの指揮官である監督なりコーチなりが
各スタッフへの役割をキッチリ指導することが必要なのだろう。
コーチングは選手に対してのみならず
チームスタッフに対しても必要であり大切なこと。

プロフィール

YY

Author:YY
新潟から世界で戦う身体と思考をサポートしています。


〇スポーツ競技コーチ
〇フィジカルトレーナー
〇鍼灸師(医療国家資格)
〇登録販売者(医療国家資格)

担当経歴
・リオオリンピック代表選手
・プロゴルファー
・競輪選手
・プロサッカー選手
・競泳日本代表選手
・オープンウォーター日本代表選手
・プロ格闘家

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